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t検定の計算の仕方 母平均の検定

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t検定の計算の仕方 母平均の検定

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母平均の検定であるt検定の計算について解説していきます。

t検定の式から検定の具体例を用いた統計量の計算の仕方について見ていきます。

t検定を数理的に詳しく見ていきたいという方は以下の記事を参照ください。

【統計学】t検定 母平均の検定・母平均の差の検定

ここでは、統計学の仮説検定において重要なStudentのt検定について解説する。 母分布である正規分布のパラメータによって様々なt検定の手法が提案されている。 その中でもよく使われるt検定についてみて ...

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t検定

t検定の概要を以下にまとめました。検定統計量の導出などの詳細については上で紹介した記事を参照してください。

正規分布\(N(\mu, \sigma^2)\)から無作為に\(n\)個の標本\(x_1, x_2, \ldots, x_n\)が得られたとき、次の「母平均\(\mu\)が\(\mu_0\)に等しいか」という母平均に関する検定を考えます。

\begin{align}H_0:\ \mu = \mu_0 \\ H_1:\ \mu \neq \mu_0 \end{align}

このとき、上記の検定の検定統計量は次のt統計量で与えられます。

\begin{align}\label{eq1} t = \cfrac{\sqrt{n}(\bar{x}  - \mu_0)}{s}\tag{1}\end{align}

また、自由度\(n - 1\)のt分布の上側\(\alpha\)点を\(t_{n , \alpha}\)とすると、検定の棄却域は次で与えられます。

\begin{align} \label{eq2} R = (-\infty , -t_{n - 1, \alpha / 2} ) \cup (t_{n - 1, \alpha / 2}, \infty ). \tag{2}\end{align}

\(\bar{x}\)\(s^2\)はそれぞれ次で定義される標本平均と標本分散(不偏標本分散)です。

\begin{align}\bar{x} &= \cfrac{1}{n} \sum_{i=1}^n x_i, \\ s^2 &= \cfrac{1}{ n-1} \sum_{i=1}^n(x_i- \bar{x})^2\end{align}

中心極限定理を利用したz検定と異なり、小標本のときにでも成り立つのが特徴です。

計算例

t検定による母平均の検定について見ていきます。

両側検定と片側検定の2つに分けて解説していきます。

両側検定

以下の身長のデータが与えられたとします。

身長のデータ
\(i\)12345678910
\(x_i\)166.6178.12167.56180.54175.7172.91173.91168.1176.33176.79

これら10人のデータから平均は170cmであるか検定したいと思います。

この検定の帰無仮説と対立仮説は次のように表せます。

\begin{align}H_0:\ \mu = \mu_0 = 170\\ H_1:\ \mu \neq \mu_0 = 170 \end{align}

10人のデータをもとに、標本平均と標本分散はそれぞれ以下のように計算できます。

\begin{align}\bar{x} &= \cfrac{1}{10} \sum_{i= 1}^{10} x_i \\&= \cfrac{1}{10} (166.6+ 178.12 + 167.56 + 180.54 + 175.7 \\ &\qquad + 172.91 + 173.91 + 168.1 + 176.33 + 176.79 ) \\ &=173.656 ,\\ s^2 &= \cfrac{1}{10 - 1}\sum_{i=1}^{10} (x_i - \bar{x})^2 \\ &= \cfrac{1}{9}\bigl\{ ( 166.6 - 173.656)^2+ (178.12 - 173.656)^2+ (167.56 - 173.656)^2+ (180.54 - 173.656 )^2+ (175.7 - 173.656)^2 \\ &\qquad + (172.91 - 173.656)^2+ (173.91 - 173.656)^2+ (168.1 - 173.656)^2+ (176.33 - 173.656)^2 + (176.79  - 173.656 )^2 \bigr\} \\ &= 22.98949.\end{align}

よって、\eqref{eq1}の検定統計量の実現値は以下となります。

\begin{align}t^* &= \cfrac{\sqrt{n} (\bar{x} - \mu_0) }{s} \\ &= \cfrac{\sqrt{10} ( 173.656 - 170) }{\sqrt{22.98949}} \\ &\approx 2.4112   >  t_{9, 0.025}\end{align}

また、この検定の棄却域は\eqref{eq2}より、次のように表せます。

\begin{align} R = (-\infty , -t_{9, 0.025} ) \cup (t_{9, 0.025}, \infty ) .\end{align}

\(t_{9 , 0.025}\)は自由度\(9\)のt分布の上側\(0.025\)点を指し、上式の棄却域は次のグラフのようになります。

t検定 両側棄却域

自由度9のt分布の上側2.5%点の\(t_{9, 0.025} \approx 2.262157\)より実現値\(t^*\)が大きいため、有意水準\(\alpha = 0.05\)の下で、帰無仮説は棄却されます。よって「身長は170cmであるとはいえない」ということが言えました。

有意水準5%なのに2.5%としているのは、両側検定であり\(\mu_0\)よりも小さい場合も考慮しているためです。

片側検定

次の片側検定の例も見ていきましょう。

両側検定で用いたデータに対して、次の「母平均が170cmより大きいか」という仮説検定を行いたいと思います。

\begin{align}H_0:\ \mu > \mu_0 = 170\\ H_1:\ \mu \leq \mu_0 = 170 \end{align}

今、片側検定であるため、この検定の棄却域は次のように表せます。

\begin{align} R = (-\infty , -t_{9, 0.05} )  .\end{align}

t検定 片側棄却域

両側検定で計算した際に実現値は、\(t^* \approx 2.4112 > -t_{9, 0.05} \)であるため、帰無仮説が採択され「身長は170cmより大きい」ということが言えました。

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usagi-san

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