【R言語】ベータ関数とガンマ関数　関数beta, gammaの使い方

R言語でベータ関数とガンマ関数を計算する関数とその実行例についてまとめました。

階乗を複素数に拡張した特殊関数であるガンマ関数とそれに関連するベータ関数をR言語で計算する方法を紹介します。

この記事で用いるプログラミングコードは以下からダウンロードできます。

R言語　ベータ関数・ガンマ関数

1 ファイル 0.40 KB

ダウンロード

ベータ関数とガンマ関数

R言語でベータ関数とガンマ関数を計算する際に用いる関数をまとめました。

ベータ関数とガンマ関数のほかにも、対数をとったものを計算する関数なども実装されています。

ベータ関数

次の関数betaでベータ関数を計算することができます。

また、関数lbetaでベータ関数に対数をとったものを計算できます。

beta(a, b)
lbeta(a, b)

関数beta、lbetaの引数は次の通りです。

関数beta, lbetaの引数
a	パッケージ名のcharacter型のベクトル
b	インストール先のlibraryのディレクトリを表すcharacter型のベクトル。

ガンマ関数

関数gammaでガンマ関数を計算することができます。

また、ガンマ関数に対数をとったものなど様々な関数が用意されています。

gamma(x)
lgamma(x)
psigamma(x, deriv = 0)
digamma(x)
trigamma(x)

関数gamma、lgamma、psigamma、digamma、trigammaの引数は次の通りです。

関数gamma, lgamma, psigamma, digamma, trigammaの引数
x	リポジトリのURL。"username/repo[/subdir][@ref\|#pull]"のように与える。
deriv	リポジトリのユーザー名。

実行例

ベータ関数とガンマ関数をR言語で計算する例をまとめました。

それぞれの関数の計算例だけでなくグラフの描き方についても紹介しています。

ベータ関数

ベータ関数を計算するには関数betaを用います。

引数aとbにはそれぞれベータ関数\(B(a, b)\)の引数に対応しています。

また、関数lbetaでベータ関数に対数をとったものを計算することもできます。

#ベータ関数
a <- 3 
b <- 2

b <- beta(a, b)
lb <- lbeta(a, b)

#ベータ関数

a <- 3

b <- 2

b <- beta(a, b)

lb <- lbeta(a, b)

計算した各種ベータ関数の値はそれぞれ次となります。

> b
[1] 0.08333333
> lb
[1] 2.364042

> b

[1] 0.08333333

> lb

[1] 2.364042

また、関数perspを使うことでベータ関数を描くことができます。

関数betaとlbetaのグラフはそれぞれ下の画像のようになります。

x <- seq(1, 10, length = 50)
y <- seq(1, 10, length = 50)

z <- outer(x, y, beta)
persp(x, y, z, theta=120, phi=20, expand=0.5, ticktype="detailed")

z <- outer(x, y, lbeta)
persp(x, y, z, theta=120, phi=20, expand=0.5, ticktype="detailed")

x <- seq(1, 10, length = 50)

y <- seq(1, 10, length = 50)

z <- outer(x, y, beta)

persp(x, y, z, theta=120, phi=20, expand=0.5, ticktype="detailed")

z <- outer(x, y, lbeta)

persp(x, y, z, theta=120, phi=20, expand=0.5, ticktype="detailed")

関数beta

関数lbeta

ガンマ関数

次にガンマ関数の計算例について見ていきます。

ガンマ関数を計算するには関数gammaを用います。

引数xはガンマ関数\(\Gamma(x)\)の引数に対応しています。

また、関数lgammaでガンマ関数に対数をとったものを計算でき、psigamma、digamma、trigammaでそれぞれ次で定義される関数の値を得ることができます。

\begin{align}\mathrm{psigamma}(x, m) &=\psi^{(m)}(x) = \cfrac{d^m}{dx^m} \psi(x) = \cfrac{d^{m+1}}{dx^{m+1}}\ln \Gamma(x) , \\ \mathrm{digamma}(x) &= \psi(x) = \cfrac{d}{dx} \ln \Gamma(x) = \cfrac{\Gamma'(x)}{\Gamma(x)}, \\ \mathrm{trigamma}(x) &=\psi_1(x) = \cfrac{d}{dx} \psi(x)=\cfrac{d^2}{dx^2}\ln \Gamma(x). \end{align}

x <- 5

g <- gamma(x)
lg <- lgamma(x)
pg <- psigamma(x)
dg <- digamma(x)
tg <- trigamma(x)

x <- 5

g <- gamma(x)

lg <- lgamma(x)

pg <- psigamma(x)

dg <- digamma(x)

tg <- trigamma(x)

計算したこれらの関数の値は次の通りです。

> g
[1] 24
> lg
[1] 3.178054
> pg
[1] 1.506118
> dg
[1] 1.506118
> tg
[1] 0.221323

> g

[1] 24

> lg

[1] 3.178054

> pg

[1] 1.506118

> dg

[1] 1.506118

> tg

[1] 0.221323

また、関数curveを用いることで、各種ガンマ関数を描くことができます。

curve(gamma, from = 1, to = 10)
curve(lgamma, from = 1, to = 10)
curve(psigamma, from = 1, to = 10)
curve(digamma, from = 1, to = 10)
curve(trigamma, from = 1, to = 10)

curve(gamma, from = 1, to = 10)

curve(lgamma, from = 1, to = 10)

curve(psigamma, from = 1, to = 10)

curve(digamma, from = 1, to = 10)

curve(trigamma, from = 1, to = 10)

関数gamma

関数lgamma

関数psigamma

関数digamma

関数trigamma

まとめ

R言語でベータ関数とガンマ関数を計算する関数を紹介しました。

ベータ関数とガンマ関数はRに標準で実装されており、それぞれ関数beta、gammaを用いることで計算することが可能です。

また関数lbetaやlgammaなどのそれぞれの関数に対数をとったものや、ガンマ関数に関連する特殊関数も実装されています。

usagi-san

統計学とゲームとかをメインに解説していくよ。数式とかプログラミングコードにミスがあったり質問があったりする場合はコメントで受け付けます。すぐに対応します。

2024/04/28

【R言語】F検定テンプレートスクリプト

2024/04/28

【R言語】経験密度関数・経験分布関数のプロット　関数densityとecdfの使い方

2024/04/10

【R言語】ベータ関数とガンマ関数　関数beta, gammaの使い方

usagi-sanの記事をもっと見る

-R言語
-R言語, プログラミング

comment コメントをキャンセル

: R言語
【R言語】論理演算子・比較演算子
R言語の論理演算と比較演算をまとめました。この記事では論理和や論理積などの論理演算と、等号や不等号などの比較演算に用いる演算子を紹介します。この記事で扱うプログラミングコードは以下からダウンロード ...

: R言語
【R言語】applyファミリーの使い方を詳しく見ていく
今回はR言語におけるapplyファミリーをみていきます。 applyファミリーとは、関数apply、mapply、lapply、sapply、tapplyを含む関数族のことです。これらの関数を用いる ...

: R言語
【R言語】パッケージのインストール　CRAN, GitHub, Bioconductor
R言語のパッケージのインストールの仕方についてまとめました。この記事では、以下のようにCRANだけでなくや他のgit等のリモートリポジトリからパッケージをインストールする手順を解説しています。 CR ...

: R言語
【R言語】バートレット検定　bartlett.testの使い方
R言語でバートレット検定を実行する関数とその実行例について解説していきます。この記事では、多群の等分散性の検定であるバートレット検定の概要やR言語での実行例を扱っています。 2群のF検定については、 ...

: R言語
【R言語】リストの操作　作成・値の代入・要素の追加など
R言語のリストの操作（作成や値の代入、要素の追加など）をまとめました。この記事では以下のリストに関する操作を実行例とともに分かりやすく解説しています。この記事で学べる事リストの作成リストの参照 ...

【R言語】1標本t検定テンプレートスクリプト

【R言語】経験密度関数・経験分布関数のプロット　関数densityとecdfの使い方

【R言語】ベータ関数とガンマ関数 関数beta, gammaの使い方

ベータ関数とガンマ関数

ベータ関数

ガンマ関数

実行例

ベータ関数

ガンマ関数

まとめ

【R言語】ベータ関数とガンマ関数　関数beta, gammaの使い方