R言語で絶対値と平方根を求める関数を紹介します。
関数の紹介だけでなく、使用例についても見ていきます。
この記事で扱うプログラミングコードは以下からダウンロードすることができます。
R言語 絶対値と平方根
絶対値と平方根
Rには標準で以下の絶対値と平方根を計算する関数が実装されています。
関数absで絶対値、sqrtで平方根の計算ができます。
abs(x)
sqrt(x)
以下、これらの関数の引数です。
x | numericまたはcomplex型のベクトルまたは配列。 |
実行例
絶対値と平方根の計算例を以下にまとめました。
実数だけでなく複素数の絶対値と平方根の計算も行っています。
絶対値
次のように関数absの引数に絶対値を求めたい値を渡すことでその値に対応する絶対値を求めることができます。
1 2 3 4 5 | n <- -2 n_vec <- -seq_len(10) abs_n <- abs(n) abs_n_vec <- abs(n_vec) |
計算した値を参照してみると、すべてマイナスがなくなり絶対値が求められているのが確認できます。
1 2 3 4 | > abs_n [1] 2 > abs_n_vec [1] 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 |
関数curveを使うと、次のように絶対値のグラフを描くことも可能です。
1 2 3 4 5 6 | > sin_theta [1] 0.8660254 > cos_theta [1] 0.5 > tan_theta [1] 1.732051 |
次に複素数の絶対値を求める例についても触れます。
統計解析を行っていて滅多に複素数の絶対値を計算することはないですが、計算例を以下に載せます。
次の例は複素数\(2 + i\)と複素数のベクトル\(1 + i, 1 + 2i, \ldots, 1 + 10i\)の絶対値を計算する例です。
1 2 3 4 5 | i <- 2 + 1i i_vec <- seq_len(10) + 1i abs_n <- abs(i) abs_i_vec <- abs(i_vec) |
参照すると、次のように複素数\(2+i\)の絶対値\(| 2 + i| = \sqrt{2^2 + 1^2} = \sqrt{5}\)や\(1 + i, 1 + 2i, \ldots, 1 + 10i\)の絶対値が実際に計算されているのが分かります。
1 2 3 4 | > abs_i [1] 2.236068 > abs_i_vec [1] 1.414214 2.236068 3.162278 4.123106 5.099020 6.082763 7.071068 8.062258 9.055385 10.049876 |
平方根
次に平方根を計算する例について見ていきます。
関数sqrtを用いることで平方根を計算することができます。
使い方は簡単で、次のように関数の引数に平方根を計算したい値を渡すだけです。
1 2 3 4 5 | n <- 2 n_vec <- seq_len(10) sqrt_n <- sqrt(n) sqrt_n_vec <- sqrt(n_vec) |
\(\sqrt{2} \approx 1.4142\)や1から10の平方根が実際に計算されているのが分かります。
1 2 3 4 | > sqrt_n [1] 1.414214 > sqrt_n_vec [1] 1.000000 1.414214 1.732051 2.000000 2.236068 2.449490 2.645751 2.828427 3.000000 3.162278 |
絶対値の時と同様に、関数curveを使うことで平方根のグラフを描くことができます。
1 | curve(sqrt, from = 0, to = 10) |
また、実数と同様に複素数の平方根も求めることができます。
次の例では、複素数\(2 + i\)と複素数のベクトル\(1 + i, 1 + 2i, \ldots, 1 + 10i\)の平方根を計算しています。
1 2 | sqrt_i <- sqrt(i) sqrt_i_vec <- sqrt(i_vec) |
複素数\(2 + i\)と複素数のベクトル\(1 + i, 1 + 2i, \ldots, 1 + 10i\)の平方根はそれぞれ以下の通りです。
1 2 3 4 | > sqrt_i [1] 1.455347+0.343561i > sqrt_i_vec [1] 1.098684+0.455090i 1.455347+0.343561i 1.755317+0.284849i 2.015329+0.248098i 2.247111+0.222508i 2.457922+0.203424i 2.652458+0.188504i 2.833925+0.176434i 3.004612+0.166411i 3.166218+0.157917i |
まとめ
Rで絶対値と平方根を計算する関数を紹介しました。
Rには標準で絶対値や平方根を計算する関数が実装されています。
関数absで絶対値、sqrtで平方根を求めることができ、複素数にも対応しています。