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【統計学】F分布の確率密度関数

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【統計学】F分布の確率密度関数

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F分布の確率密度関数の導出を行う。

カイ2乗分布やt分布と同様に、正規分布に従う確率変数から構成される統計量がF分布に従うことを示す。すなわち、正規分布の確率密度関数に変数変換を適用することで、F分布の確率密度関数を導出する。

F分布の確率三津関数には、カイ2二乗分布の確率密度関数を用いる。カイ2乗分布の確率密度関数については、カイ2乗分布の確率密度関数を参照されたい。

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F分布の確率密度関数

定義1 F分布の確率密度関数

確率変数\(X\)が次の確率密度関数を持つとき、\(X\)は自由度\(m\)、\(n\)のF分布に従うという。\begin{align}\label{eq1}f(x)  =\left\{\begin{array}{cc}\cfrac{m^{\frac{1}{2}m}n^{\frac{1}{2}n} x^{\frac{1}{2}m-1}}{B(\frac{1}{2}m,\frac{1}{2}n)(n+mx)^{\frac{1}{2}(m+n)}}, & x\geq 0\ \ (if\ m=1,\ x>0),\\0,&otherwise.\end{array}\right.\tag{1}\end{align}

カイ2乗統計量を用いた表現

カイ2二乗統計量を用いることで、F分布に従う確率変数を表現することができる。独立にカイ2乗分布に従う2つの確率変数をそれぞれ\(X\sim \chi_m^2\)、\(Y\sim \chi_n^2\)としたとき、F分布に従う確率変数\(U\)は次のように構成される。

\begin{align}\label{eq2}U = \cfrac{X/m}{Y/n}\sim F_{m,n}.\tag{2}\end{align}

また、カイ2乗統計量の比で表されることから、上式の\(U\)の逆数\(U^{-1}\)についても同様のことがいえる。\eqref{eq2}の自由度\(m\)、\(n\)のF分布に従う統計量\(U\)の逆数\(U^{-1}\)について次が成り立つ。

\begin{align}\label{eq3}U^{-1} = \cfrac{Y/n}{X/m}\sim F_{n, m}.\tag{3}\end{align}

\eqref{eq3}から、F分布に従う統計量の逆数もまたF分布に従うことが分かる。その自由度については、もとの統計量の自由度を反転させたものになることが分かる。さらに、この関係より自由度\(n\)、\(m\)のF分布の上側\(\alpha\)点を\(F_{n, m, \alpha}\)とすると次の式を得る。

\begin{align}\label{eq5} F_{n, m, 1 - \alpha} = \cfrac{1}{F_{m, n, \alpha}}.\tag{5}\end{align}

自由度\(n\)、\(m\)のF分布上側\(1- \alpha\)点は自由度を反転させたF分布の上側\(\alpha\)点の逆数で与えられることを意味する。以降\eqref{eq2}のカイ2乗統計量の比から構成される統計量が従う分布の確率密度関数を導出する。また、\eqref{eq3}についても同様に、\(U^{-1}\)の分布を導出していく。

確率密度関数の導出

カイ2乗分布からの導出

独立に従う自由度\(m\)と\(n\)のカイ2乗統計量の比で表される統計量の確率密度関数が、\eqref{eq1}のF分布の確率密度関数であることを示す。確率変数\(X\)と\(Y\)はそれぞれ独立に、自由度\(m\)と\(n\)のカイ二乗分布に従っているとする。すなわち、\(X\sim \chi_m^2\)、\(Y\sim \chi_n^2\)。このとき、\(X\)と\(Y\)の確率密度関数は次で与えられる。

\begin{align}f_X(x) &=\cfrac{e^{-\frac{1}{2}x}x^{\frac{1}{2}m-1}}{2^{\frac{1}{2}m} \Gamma(\frac{1}{2}m)},\\f_Y(y)&=\cfrac{e^{-\frac{1}{2}y}y^{\frac{1}{2}n-1}}{2^{\frac{1}{2}n} \Gamma(\frac{1}{2}n)}.\end{align}

また、\(X\)と\(Y\)は独立に従っていることより、\(X\)と\(Y\)の同時密度関数は、それぞれの確率密度関数の積で与えられる。

\begin{align}f_{X, Y}(x, y) &=\cfrac{e^{-\frac{1}{2}x}x^{\frac{1}{2}m-1}}{2^{\frac{1}{2}m} \Gamma(\frac{1}{2}m)}\cfrac{e^{-\frac{1}{2}y}y^{\frac{1}{2}n-1}}{2^{\frac{1}{2}n} \Gamma(\frac{1}{2}n)}\\\label{eq4}&=\cfrac{e^{-\frac{1}{2}(x+y)}x^{\frac{1}{2}m-1}y^{\frac{1}{2}n-1}}{2^{\frac{1}{2}(m+n)}\Gamma(\frac{1}{2}m)\Gamma(\frac{1}{2}n)}.\tag{4}\end{align}

ここで、次の変数変換を行う。

\begin{align}u &= \cfrac{x/m}{y/n},\\v &= y\end{align}

また、この変換のヤコビアンは

\begin{align}\left|\cfrac{\partial(x, y)}{\partial(u. v)}\right| &= \begin{vmatrix}\cfrac{\partial x}{\partial u} & \cfrac{\partial x}{\partial v}\\\cfrac{\partial y}{\partial u} & \cfrac{\partial y}{\partial v}\end{vmatrix}\\&= \begin{vmatrix}\cfrac{mv}{n} &\cfrac{mu}{n} \\0 & 1\end{vmatrix}\\&= \cfrac{mv}{n}\end{align}

となる。したがって、\eqref{eq4}の\(X\)と\(Y\)の同時密度関数に変数変換を行うことで、\(U\)と\(V\)の同時密度関数は次となる。

\begin{align}f_{U, V}(u, v) &= \cfrac{e^{-\frac{1}{2}\left(1+\frac{m}{n}u\right)v}\left(muv/n\right)^{\frac{1}{2}m-1}v^{\frac{1}{2}n-1}}{2^{\frac{1}{2}(m+n)}\Gamma(\frac{1}{2}m)\Gamma(\frac{1}{2}n)} \mathrm{mod}\left|\cfrac{\partial (x,y)}{\partial(u, v)}\right|\\&=\cfrac{e^{-\frac{1}{2}\left(1+\frac{m}{n}u\right)v}\left(m/n\right)^{\frac{1}{2}m}u^{\frac{1}{2}m-1}v^{\frac{1}{2}(m+n)-1}}{2^{\frac{1}{2}(m+n)}\Gamma(\frac{1}{2}m)\Gamma(\frac{1}{2}n)}.\end{align}

よって、\(U=(X/m)/(Y/n)\)の周辺密度関数は上記の\(U\)と\(V\)の同時密度関数を\(V\)について積分することで得られる。\(U\)と\(V\)の同時密度関数を\(V\)について積分することで、次の\(V\)の周辺密度関数を得る。

\begin{align}f_V(v)& =\int_0^{\infty}\cfrac{e^{-\frac{1}{2}\left(1+\frac{m}{n}u\right)v}\left(m/n\right)^{\frac{1}{2}m}u^{\frac{1}{2}m-1}v^{\frac{1}{2}(m+n)-1}}{2^{\frac{1}{2}(m+n)}\Gamma(\frac{1}{2}m)\Gamma(\frac{1}{2}n)}dv\\&=   \cfrac{\left(m/n\right)^{\frac{1}{2}m}u^{\frac{1}{2}m-1}}{2^{\frac{1}{2}(m+n)}\Gamma(\frac{1}{2}m)\Gamma(\frac{1}{2}n)}\int_{0}^{\infty}v^{\frac{1}{2}(m+n)-1}e^{-\frac{1}{2}\left(1+\frac{m}{n}u\right)v}dv\\&=\cfrac{\left(m/n\right)^{\frac{1}{2}m}u^{\frac{1}{2}m-1}}{2^{\frac{1}{2}(m+n)}\Gamma(\frac{1}{2}m)\Gamma(\frac{1}{2}n)} \cfrac{\Gamma\bigl[\frac{1}{2}(m+n)\bigr]}{\bigl\{(1+mu/n)/2\bigr\}^{\frac{1}{2}(m+n)}}\\&= \cfrac{m^{\frac{1}{2}m}n^{\frac{1}{2}n}u^{\frac{1}{2}m-1}}{B(\frac{1}{2}m, \frac{1}{2}n)(n+mu)^{\frac{1}{2}(m+n)}}\end{align}

これは\eqref{eq1}のF分布の確率密度関数であり、\eqref{eq2}のカイ2乗分布の比から成る統計量がF分布に従うことが示された。

F分布に従う確率変数の逆数

分布の導出

\eqref{eq3}の自由度\(m\)、\(n\)のF分布に従う確率変数の逆数の分布を導出する。カイ2乗分布からの確率変数の導出で、\eqref{eq2}の自由度\(m\)、\(n\)のF分布に従う確率変数\(U\)は次の確率密度関数を持つことが示された。

\begin{align}f_U(u) = \cfrac{m^{\frac{1}{2}m}n^{\frac{1}{2}n}u^{\frac{1}{2}m-1}}{B(\frac{1}{2}m, \frac{1}{2}n)(n+mu)^{\frac{1}{2}(m+n)}}.\end{align}

\(U^{-1}\)の確率密度関数を導出するために、\(w=u^{-1}\)の変換を行う。この変換のヤコビアンは\(du/dw = -w^{-2}\)であることから、\(W\)の確率密度関数は次で与えられる。

\begin{align}f_W(w) &=\cfrac{m^{\frac{1}{2}m}n^{\frac{1}{2}n}w^{-\frac{1}{2}m-1}}{B(\frac{1}{2}m, \frac{1}{2}n)(n+mw^{-1})^{\frac{1}{2}(m+n)}} \left|\cfrac{du}{dw}\right|\\&=\cfrac{m^{\frac{1}{2}m}n^{\frac{1}{2}n}w^{\frac{1}{2}n+1}}{B(\frac{1}{2}m, \frac{1}{2}n)(m+nw)^{\frac{1}{2}(m+n)}} w^{-2}\\&=\cfrac{m^{\frac{1}{2}m}n^{\frac{1}{2}n}w^{\frac{1}{2}n-1}}{B(\frac{1}{2}m, \frac{1}{2}n)(m+nw)^{\frac{1}{2}(m+n)}}.\end{align}

これは\eqref{eq1}より、自由度\(n\)、\(m\)のF分布の確率密度関数である。自由度\(m\)、\(n\)のF分布に従う確率変数の逆数が自由度\(n\)、\(m\)のF分布に従うことが示された。

分布関数の性質

最後に、\eqref{eq5}のF分布の分布関数の性質を証明する。\(X\)を自由度\(n\)、\(m\)のF分布に従う確率変数とし\(X\)の分布関数を\(F_X(x)\)とすると、分布関数の定義より次が成り立つ。\begin{align}\alpha &=F_X(F_{n, m , 1 - \alpha})\\ &= \mathrm{Pr}\{X \leq F_{n, m ,1- \alpha}\} \\ &= \mathrm{Pr}\{ X^{-1} \geq F^{-1}_{n, m, 1-\alpha} \} \\ &= 1 - \mathrm{Pr}\{X^{-1} \leq F^{-1}_{n, m, 1-\alpha} \}\end{align}ここで\(Y = X^{-1}\)とし、\(Y\)の分布関数を\(F_Y(y)\)とすると\begin{align}1 -\alpha &= \mathrm{Pr}\{X^{-1} \leq F^{-1}_{n, m, 1-\alpha} \} \\ &= F_Y(F^{-1}_{n, m, 1- \alpha}). \end{align}故に\begin{align}&1 - \alpha = F_Y(F^{-1}_{n, m, 1 - \alpha})\\ &\Leftrightarrow F_{m, n, \alpha} = F^{-1}_{n, m, 1 - \alpha}\\ &\Leftrightarrow F_{n, m, 1 - \alpha} = F^{-1}_{m, n, \alpha}. \end{align}

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usagi-san

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