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【統計学】二項分布とポアソン分布の関係 ポアソンの極限定理

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【統計学】二項分布とポアソン分布の関係 ポアソンの極限定理

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二項分布とポアソン分布の関係についてであるポアソンの極限定理とその証明を解説する。

二項分布のパラメータ\(p\)が十分に小さいとき\(n\)を大きくすると、二項分布に従う確率変数はポアソン分布に従うことを示す。

二項分布の正規近似についてであるド・モアブル=ラプラスの定理については、以下を参照。

【統計学】二項分布の正規近似 ド・モアブル=ラプラスの定理

二項分布の正規近似についての定理であるド・モアブル=ラプラスの定理を解説する。 二項分布の確率質量関数をパラメータ\(n\)に関して近似することで、\(n\)が十分に大きいとき二項分布は正規分布に漸近 ...

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また、超幾何分布の二項分布への収束は以下を参照。

【統計学】超幾何分布の二項分布への収束

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ポアソンの極限定理

ド・モアブル=ラプラスの定理

\(\{p_n\}\)を\( (0, 1)\)上の実数の数列とし、\(\lim_{n\to \infty} n p_n = \lambda\)が成り立つとする。ここに、\(\lambda\)はある定数。このとき\(X\)を二項分布\(B(n, p_n)\)に従う確率変数とすると

\begin{align} \lim_{n\to \infty}\mathrm{Pr}\{X = k\} = \cfrac{\lambda^k e^{-\lambda}}{k!} .\end{align}

証明 \(n\)が十分に大きいとき、\(\lambda = np\)であることより、\(X\)の確率質量関数は

\begin{align} \mathrm{Pr}\{ X = k\} &= \begin{pmatrix}n \\ k \end{pmatrix} p^{k} (1 - p)^{n - k} \\ &\approx \cfrac{n!}{k! (n - k)! } \left(\cfrac{\lambda}{n} \right)^{k} \left(1 - \cfrac{\lambda}{n} \right)^{n - k} \\&= \cfrac{n (n-1) \cdots (n - k + 1)}{k! } \cfrac{\lambda^k}{n^k} \left(1 - \cfrac{\lambda}{n} \right)^{n - k} \\ &= \cfrac{n^k + O(n^{k - 1})}{k! } \cfrac{\lambda^k}{n^k} \left(1 - \cfrac{\lambda}{n} \right)^{n - k}  \\ \label{eq1} &= \cfrac{\lambda^k}{k!} \left(1 - \cfrac{\lambda}{n} \right)^{n - k} + O(n^{-1})  \tag{1} \end{align}

ここで、次のネイピア数の性質

\begin{align}e^x = \lim_{n\to \infty}\left(1 + \cfrac{x}{n} \right)^n \end{align}

より、\(n\to \infty\)のとき\eqref{eq1}は次のようになる。

\begin{align}\lim_{n\to \infty} \mathrm{Pr}\{X = k\} &= \lim_{n\to \infty}\left\{ \cfrac{\lambda^k}{k!}  \left(1 - \cfrac{\lambda}{n} \right)^{n - k} + O(n^{-1} )\right\} \\ &= \lim_{n\to \infty} \cfrac{\lambda^k}{k!}  \left(1 - \cfrac{\lambda}{n} \right)^{n - k} + \lim_{n\to \infty} O(n^{-1} ) \\ &= \cfrac{\lambda^k}{k!} \lim_{n\to \infty} \left(1 - \cfrac{\lambda}{n} \right)^n \cdot \lim_{n\to \infty} \left(1 - \cfrac{\lambda}{n} \right)^{-k} + 0 \\ &= \cfrac{\lambda^k}{k!} e^{-\lambda}\cdot 1\\ &= \cfrac{\lambda^k e^{-\lambda}}{k!} .\end{align}

上式の右辺はポアソン分布の確率質量関数である。定理1が示された。

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usagi-san

統計学とゲームとかをメインに解説していくよ。 数式とかプログラミングコードにミスがあったり質問があったりする場合はコメントで受け付けます。すぐに対応します。

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